「これは秘密だが、あなただけに打ち明ける」と言われて、人の話を聞くことがあります。たとえ初対面の人から言われた場合でも、真剣に聞かなければならないと身構えます。その中には、自分の悩みを秘密にしておくことが苦しく、他人に告白することで楽になりたいと考えて話す場合もあるようです。もちろん、信頼する友人や上司等に秘密を告白して安心が得られるのであれば、それも精神安定に大変役立つでしょう。
問題は、経営者等が「この話は秘密だが」と前置きして、コンサルタントや同業者等に秘密を打ち明ける場合です。聞かされた方は、突然守秘義務を負ったような心境になります。話が深刻な内容であるかどうかは聞くまで分からず、うっかり話を聞いてしまったことを後悔することもあります。
そこで、経営相談等において相手から「これは秘密だが」と言われた場合は、(相手の信頼度にもよるが)告白の必要性や有効性を確認してから話してもらいましょう。秘密の告白によって、偶に問題解決の悩みを相談相手に押し付けてくる人もあるからです。
なお、秘密を聞いてしまった場合は(聞く方が集団や複数の場合は拒否が難しい)、こちらから話題にはせず守り続ける他はありません。相手は、秘密を告白したことを後悔している場合が多いものだからです。