こんな経験がないでしょうか。社内会議で、「この問題について何か意見はありませんか」と促され、軽い気持ちで発言したところ多くの共感を得ました。良い気持ちでいたら、「では、この問題をあなたに担当してもらいましょう」と言われて慌てました。「いいだしっぺ」とか、「音頭取り」とか言われます。
このような経験に一度で懲りてしまい、以後意見や提案を控えてしまう人がいます。或いは、そのような場面を見て警戒してしまう人もいます。これはチャンスを逃す、実に勿体ない態度です。経営者がよく嘆く言葉に、「うちの社員は意見や提案を積極的に言わない」というものがあります。経営者や管理者は、社員が発言する問題解決に役立つ意見や提案を切実に求めているからです。そもそも有能な人材を探すことが経営者の大きな役割です。当然の結果として、伸びる経営幹部の共通点は、会議や現場の音頭取りが多いと言うことです。
注意すべきは、音頭取りの提案や行動等が社内で賛同されず、会社の実状に合わない場合です。「孤掌は鳴らず」(片手で拍手は出来ない)と言いますが、周囲の者が問題意識を持たず、協力しようという意識が醸成していないからです。たとえ任された場合でも、周囲の者が一緒に踊り出す状勢かどうかを見極めることが大切でしょう。