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作成日:2012/08/30
気まぐれコラム《詰めが甘い》

 「うちの社員は詰めが甘いので困る」これは某不動産会社A社長の悩みです。例えば、管理アパートの住人トラブル解決に行って仲裁した後、同じ問題で再び呼び出されたり、正式な土地売買契約の寸前に文化財保護規制に気づいたりします。前者は紛争処理の話合い仲裁を中途半端で切上げたり、合意した証拠(合意書を作る場合もある)を残さなかったりするからです。後者は日頃の慣れた物件と勘違いし、念のための調査を怠ったりするからです(こんな場所は文化財保護に関係ないだろうと)。

 仕事は、意外に多いのが「念のためにする」職務です。もしそれらの一つ二つを怠っても、9割は当面の障害にならないかもしれません。車点検や建築工事等は、この「念のため」にする作業が非常に多いものです。「多分大丈夫」と言う一つの手抜きが重大な事故になることが珍しくありません。テレビ等でマラソン大会を見ても、真剣勝負は後半、特に最後の1割の区間が苦しく且つ決め手だと思います。同様に、仕事も全般順調に進んで、あと一息と思って気を抜くと終了間際が危ないと言えます。『論語』(金谷治訳注、岩波文庫参照)に、「未だ一簣(き)をなさざる」(土で山を作る時、あと1もっこのところで止める)とあるが、最後の詰めが甘いと完成を見ないで終ることになります。