弓矢の練習に的が無ければ上達しないように、学問や仕事にも的(目標値や戦略)が必要です。仕事上の的は、経営者や管理者が各種計画の中に目標値や戦略の達成水準を明確に定めることが有効です。
例えば、販売業の経営計画の的には、売上・利益の目標値とその達成手段の戦略、接客水準・クレーム処理水準の改善策等があります。的を定めれば、その達成手段を次々に練っていくことが出来るのです。売上目標であれば、客数や客単価を一定率伸ばす販促法や商品構成の戦略を構築します。利益目標であれば、売上原価や経費を一定率節減する計画を立てたりします。結果、達成根拠のある売上・利益を目標値で表すことができます。
ところで、経営コンサルタント等が各種計画策定の提案をすると、経営者から「計画を作っても、結果が計画通りにならない。管理者や社員が関心を持たない」と言われることがあります。実情を聞くと、過去1回の不首尾に懲りて策定を止めていたり、策定に不備があったりしています(達成手段や戦略が曖昧で目標値の達成根拠が無く、単に努力するという表現が目立つ)。これは計画策定意義に対する誤解です。達成根拠のある目標値を的として定め、具体的な達成手段を戦略にすれば、期待に沿った計画成果を相当獲得出来るものです。