一般に人が前進出来ない要因は、「取り越し苦労」や「過度の用心」であると言われます。実行するかどうかに迷い、迷うことは結局実行しない或いは速やかに決断しないという態度だからでしょう。
ところで、将来の気掛かりや心配を考えず無闇に実行することも問題ではないでしょうか。商売上の懸案であれば、新店舗を出すべきか(逆に撤退すべきか)、新分野に進出すべきか、経営者の交代をすべきか、某社との取引を開始すべきか否か、外国人の雇用をすべきか、等無数にあります。本稿では個々の解決策を示せませんが、対応の第一段階としては懸案事項の計画策定や解決策を探り、一日延ばしにせず可能な限りアイデアや事例等を集めることです。「新店舗成功の首尾は時の運」「新分野は常に未知の世界」とか、「取引は拒まず、対策は後で考える」とか等、事実を確かめずただ思いつきで経営することは危険です。むしろ、心配になった事項は一度徹底的に検討して(内容は立地条件や取引先等の現状分析、将来発生するかもしれない最悪事態と予防策、実行するマニュアル作成等)、将来のリスクを減少させることに活かすべきです。経営上の懸案は何となく心配するのではなく、積極的に心配して活用する方が速やかな経営行動になるものです。