人間にとって一番大事なものは時間ではないでしょうか(時間=人間の寿命)。特に現代の新しいサービス産業が成り立つのは、時間節約の工夫によるものです。例えば、引越し代行や清掃業等は典型で、お客は他人の時間を買って労務提供を受け、換わりに自分は他人のために別の仕事をしているのです。
経営技法の指導をしていて気づくことは、「利便性の提供」とは時間節約サービスが多いということです。例えば、カット野菜や夕食材料の宅配等に人気があるのは、本来ならば各自が時間を掛けて買い集めたり加工したりするところを、金を払ってその時間を短縮しているのです。スーパーマーケットは米・魚・肉・野菜・雑貨等と商品別店舗に行くことなく、一箇所で済む事に大きな利便性があります。他にも、飛行機・船・電車・バス等の交通機関も典型で、乗車賃以外に特急料金や高速料金を払ったりすることも同様で、例を挙げたら切りがありません。商売だけではありません。時間の使い方を上手にするか否かによって、人生全般が首尾良くいくかどうかまで影響します。一般に人は年齢が上がるに連れて時間を尊重するようになるのが普通ですが、物事をする上で時間短縮に早く目覚めることが決め手です。越し方を振り返って、「光陰矢の如し」「隙行く駒」等と嘆いても遅いからです。