古くから、「人学ばざれば智なし、智なき者は愚人なり」と言われます。戦後から一貫して日本中に大学や専門学校が次々に新設され、街の中には英会話・学習塾・パソコン教室等や特定年齢層(幼児や高齢者)を対象にした学ぶ場所が非常に豊富になりました。ところで、会社のような職場内の学習機会ですが、盛んな職場とそうでない職場の格差が非常に大きいことに気づきます。中小企業の相当数が勤務中以外の教育(勉強会や外部講師による研修会等)をしていません。「うちは仕事中に指導しているから必要ない」とか、「うちのような職人の職場は現場で先輩が教える他はない」等という所も多くあります。仕事を習得する方法として歴史的意義はありますが、仕事に関する知識や技術の変化が速く先輩による教育だけでは間に合わなくなっています。パソコンや携帯電話は、新入社員が中高年の先輩に教えている姿を見ることもあります。人が物事を学ぶ手法は、幾つかのパターンを組合わせることです。第1は学校や研修会のように、教師の話を聞いて学ぶ方法、第2は自分で本や道具を使って学ぶ方法で、第3は実務の現場で上司や先輩から直に聞いて学ぶ方法です。大事なことは、偏った学び方(本を読むだけ、職場で指導を受けるだけ、等)ではなく数種類の学び方を実践することでしょう。