「人の歓待は、冷めやすいものでござる。歓宴長くとどまるべからずです」(出典:吉川英治著『三国志(一)』講談社発行)
接待を受けた時は最後まで(何を以って最後と言うか区々であるが)居ないことです。長くなった接待は途中で自ら打切り、引き止められてもお礼を言って去ることです。とんでもない「願い事」が出ない内に、話が出尽くしてお互い退屈しない内に、接待者も緊張が無くなって本音を吐かない内に解散することです。そもそも接待には「見返り」が付き物です。接待には通常数千円から数万円の費用と手間代が掛かっているから、費用や手間が大きくなればなるほど、当然見返りの期待も大きくなるからです。この他に、接待を受ける時には次のような点に注意すべきです。(1)ビジネスの場であることを忘れて、秘匿の経営情報等を漏らさないこと(2)油断して軽い気持ちで約束をしないこと。特に、文書を書いたりしないこと(たとえ名刺の裏でも)(3)おだてられて実力以上の自慢話をしないこと。後日引受けられない願い事を受けて困ることになります。また、相手に軽率な人物と侮蔑されるかもしれない(4)特に、接待する人が複数で来た場合は(付き人との面識が無い時はより慎重に)、何か重要な願い事や情報収集の意図があると考えるべきです。