よく他人の体は槍(ヤリ)で突いても痛くないが、自分の体は針で突いても痛いと言われます。仕事の苦労も同様で、他人の苦労よりも自分の苦労の方が大変と思うものです。
新卒で就職した人の相当数が1年か2年で辞めますが、その理由の中に「自分の職場は特別に苦労が多い」「仕事が自分の適性や性格に合わない」「上司や先輩が自分ばかりに仕事を命ずる」「自分だけが雑用や残業をさせられる」等があります。結果、たとえ同期入社の者と同じ仕事をしていても自分だけが苦労の多い仕事をしていると勘違いしています。仕事に苦労する原因を自分の適性や性格に合わない仕事に就いている為と思い、自己の天職(その人の特性に合ったやりがいの持てる仕事)を発見すれば苦労が消えると考えて転職をする者もいます。しかし、仕事の苦労を簡単に放棄する者には天職が発見出来ないものです。
さて、仕事の苦労はその道30年以上のベテランにも、例外なく日々発生しています。むしろ、経験を積むにつれてより厳しい苦労が発生するかもしれません。仕事の苦労を簡単に放棄する者と長年耐え続ける者との違いは、仕事に苦労は付き物と覚悟して、その時の仕事を遣り抜くかどうかです。転職の目的が単に苦労の無い仕事を探す活動にならないようにしたいものです。