「あなたの長所と短所は何ですか」と聞かれて(又は記入させられて)、はて何と答えようか誰でも困ったことがあるでしょう。
個人的な特性や商品の売り込み等においては、先に短所を言いつつ、結論は長所で終了するように言います。「細かい事に気づかい出来ないことが欠点だが、性格が大らかで明るい事が長所」「これまでの商品より値段がやや高いけれど、性能がグンとアップ」等(いわゆるマイナス・プラス法)。ところで、上司が部下の営業姿勢や接客態度等を育成指導(コーチング)するような場合は、先に部下の長所(褒め言葉)から話を始めるべきです。例えば、「いつもながらエネルギー旺盛な攻め口は君らしいな」「接客には君の今回のような毅然たる態度が必要だな」等と部下の長所を認めた上で、問題点として「行き過ぎた売り込みは相手によっては逃げてしまう事もあるよ」「(接客のクレームが来ている時)お客様は一人一人違うから、我儘な要求もよく話をお聞きして可能な限り協力することも大切だよ」等と指摘します。一般に短所は上手に取り繕ってやる必要があります。他人の短所や商品の欠点に拘り過ぎると、人間関係が険悪になったり、営業先からの商品評価を下げたりすることになります。特に、謙虚な態度のつもりで短所を強調することは危険です。