幕末の村おこしコンサルタント二宮金次郎(尊徳)は、近づきやすい人ではなかったそうです。初めて訪問した人は、「仕事が忙しくて」という口実で門前払いされたようです。この門前払いに根負けしない人だけが、話を聞いてもらうことが出来ました(参考文献;内村鑑三著『代表的日本人』岩波文庫等)。 飛込み型の営業マン等がよく言うことですが、初めてでも訪問しやすい会社(又は、店舗・家庭・個人)と、訪問が難しい会社があるようです。当然、前者には訪問者も多く、居心地が良いので長居しがちとなります。事業用自動車のセールスをしているA氏は、むしろ後者のような無愛想で近づき難い会社を避けないようにしています。近づき難い会社は、競争者が避ける為か、過去の経験から判断して一度接点が出来ると成約率が高いと言います。会社側から見ると、何度断られても根負けせずに売りたいと考えている相手から買ったほうが有利かもしれません。
卸会社の定期訪問等も同様で、「訪問の優先順位や訪問時間・訪問頻度等」を決める際には訪問しやすさの難易に注意しなければなりません。一般に訪問の優先順位や訪問頻度等は、顧客会社の規模や取引実績によって決めます。うっかり近づきやすい会社(規模や取引実績が小さい傾向がある)を優先して、成果が低い場合があるからです。