「給料が安いから、やる気が出ない」と言う人がいます。確かに、給料が大幅に上がれば人は喜ぶし、仕事への意欲も高まるかもしれません。しかし、給料と仕事への意欲は比例するものではありません。40年前頃まで、公務員や教員の一部に労働意欲の低い人がいるのは、給料レベルが低いからと言われました。しかし、民間レベルに劣らないようになった今も状況は余り変わっていません。これまで経営が苦しかったX社(靴製造販売業)は含み損のある不動産を処分して資金を獲得し、優秀な人材確保と社員のやる気を高める為に、給料レベルを大幅に上げました。一応社員は喜びましたが、会社の目的は達成出来ませんでした。社風や経営方針は変わらず、社員たちの態度は「今までの給料が不当に安過ぎた。自分達は元々給料分以上に働いていた」というものだったのです。一般に仕事のやる気の強弱は、仕事をする意義(自分のとっての価値や目標)を高い所に置くか低い所に置くかの差です。例えば、低い所に置く者は、自分の仕事負担が給料に比べて大きければ直ちに不満を持ちます。しかし、高い所に置く者は、給料レベルとは関係なくその時の仕事に打込み、顧客の満足や自己の職務能力(知識・技術・信用等)が向上することなどに価値を見出します。勿論、会社は給料を上げる努力も大切ですが・・・