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作成日:2016/05/20
心の通信H28・5・17《今 ここ 新たなる天人地》

 堂宇の諸尊に供養の香華灯塗の茶飯を捧げつつ、縁側を渡っていると、ふと、萌えいずる草木の合間に渡る翠の風にゆらりと揺れて、鉄線や牡丹が麗しい顔を覗かせている。そういえば、五月晴れの爽やかな陽気に、まばゆいほどに光り輝いていた草木花の木々の葉も、今日は慈雨にしとしとと濡れ下がっている。あの山々が霞むように、軒の雨だれに、いきとし生き物の全てが潤いに満ちて、霞んでいるかのようである。

 このような日は、しばし、動きを止めて、濡縁の雨かかりを忘れて、鎮静黙想するのがよろしい。

 そのような折、ある方が日本列島の地図を持参し、萬歳楽山と鞍馬山に一直線を引いた延長線上に阿蘇熊本の被災地があることに気づかれて、これはなにか意味があるのであろうかと訪ねて来られた。

 いや、日本列島ばかりでなく地球全体としてその線を引いていくとどうなりますかねえと申し上げると、その方は、早速、家に戻って、今度は地球儀に線を張り、今度の大地震で大災害がおきてしまった南米エクアドルも範疇に入っていると、その地球儀を持参した。

 それにしても、九州熊本や阿蘇での何度も繰り返す地震の脅威は東日本大震災を被災したわれわれにも痛々しく、その苦しみや辛さが身にしみる。そして、こうした一連の大地震がさらなる東南海大地震や関東・東北に連鎖するきっかけとなり、今以上の原発事故を巻き起こして、日本国土が潰れてしまいやしないかと、不安にかられる。

 確かに、私どもは地球という大地に乗っかって生命を育んでいるのだが、その大地も一皮むけば、マントルの動きが活断層を刺激し、直下のちょっとした動きですら、その上で生活させていただいているわれわれには、死活につながる大惨事となり大きな影響がでる。

 まして、そのもっと最深部のマントルの動きやマグマの活動は地球規模の動きからすれば、いかに人類の営みは微弱なものであるかを思い知らされる。どんな大文明も砂上の楼閣にすぎないどころか、煮えたぎったマグマや溶岩の上に築かれたものなのだから、こうした天変地異に遭遇すれば、どんな偉人も国土もひとたまりもない。こうした地球の内部の状況からすれば、こうした天地自然が現存している事自体、神業、奇蹟なのであろう。

 訪ねて来られた方は古代密儀に造詣の深い方で、度重なる天変地異の活動は単なる天体自然の変動ばかりではなく、その上で生息している生命、とりわけ人類の意識と連動しており、その有り様に問題があり、その変容を促しているのではないか。天人地自然を司る神々からの人類に対する警告なのではないだろうかというのである。

 そこで、その来談者に私が話したことは、大宇宙における「遍在性」と「局所性」についてであった。即ち、いかなる宇宙も本不生なる遍在性(先験性すなわち未だ経験されざるもの)から各次元を経て局所化され、今に経過し、消失しながら顕現している世界であること。

 局所化の原理は、本不生なる遍在性から局所化すべく、中心性による重力磁場を振動させ、1次元から9次元にいたる局所宇宙の時空化即ち虚空(宇宙空間)を発生させ、そこにミクロ宇宙からマクロ宇宙に至るまでの万物が顕現化していること。1次元から9次元の宇宙は上昇と下降のエネルギーの運動が遍在性から地・水・火・風・空・識を通じた局所宇宙の顕現、即ち天地創造のプロセスを生み、1次元から9次元のあらゆる次元が含み超えられ一者化されている。いかなるミクロ物質といえど一者としての局所化であり、いかなるマクロ宇宙と言えど一者としての局所化であり、万物はより普遍的文脈で含み超えられ統合されており、いかに、局所化によって分裂と断片化を繰り返し増大しようとも、全体と個の統合性即ち遍在性の枠内であること。いかなる次元においても、顕現創造化されたものは固定した実体ではなく、常に消失し続ける虚妄なるものであること。いかなる宇宙も本不生なる遍在性(先験性すなわち未だ経験されざるもの)から各次元を経て局所化され、今に経過し、消失しながら顕現している世界であること。即ち、いかなる顕現も時空の固定化された実体ではなく、今ここなる大宇宙大自然界に、本不生である先験性から今に経過し、消失し続ける、常に、全く新しい天地創造の営みであること。本不生の天地創造の営みは時空を超えて同時であり、それ故、全ては我が身として一者なるがゆえに、真であり、善であり、美であることなどを話し、今いかなる境涯にあろうともかけがえのない全く新しい一瞬の中の境涯、即ち今ここありがたしであることなどを話した。

 雨はやみ、あたりは喧騒を取り戻しつつあった。

萬歳楽山人 龍雲好久