個別の会社に商品やサービスを売り込む営業活動をする時、社員の心情を想像した事があるでしょうか。「必ず成功させると強い意欲と自信を持って訪問する」「失敗する事を心配しながら、義務感で訪問する」「失敗の言い訳を考えながら、切実な気持ちで訪問する」等、社員によって区々でしょう。これらの異なる心情は根本的に何が原因なのでしょうか。要因の一つは、「負け惜しみ」をするからではないでしょうか。例えば、「売込み先は説明も聞かずに迷惑そうに断るだろう。商品も自分も説得力が無い」「こちらの挨拶に応対せず、門前払いするだろう。人として恥かしい」等と考えて営業に躊躇するのです。前もって失敗した時の挫折感や不快感を予想します。つまり、営業して負ける事を恐れ、挑戦する勇気が持続出来ないのです。
さて、営業に負けて悔しがることは少しも構いません。しかし、前もって負ける事を心配して、相手の陣地に飛び込めない事は困ります。また、失敗を予期して嫌々ながら行えば、負ける覚悟が無い為に簡単に諦めてしまいます。負け惜しみをしてはいけません。X社( 情報機器の販売、システム開発) の社長は、日頃から社員に「負ける練習をして、負ける事を嫌うな」と繰り返し訓示しています。社長は、営業活動の最大の難関は負ける事を惜しまずに挑戦出来るか否かだと言います。