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作成日:2017/05/19
心の通信H29・5・12《【三角四面体】慈悲と愛と叡智の光明に充たし不生の仏心たらしめたまえ》

 早朝、陽光を浴びた麗しい新緑に惹かれ、お堂の高窓を開け放つ。爽やかな風が堂内を巡り、心地よい。ようやく訪れた良い季節をしみじみと感じる。

 いつものように堂内の諸尊に灯明と香をたむけ、やおら、座につき、祈念を凝らす。鐘を打ち、経を誦じ始めると、決まって、小鳥たちが入り口に寄ってくる。そして、しばしの間、きげんよく囀っている。程なく、勤行も黙想の段に入ると、あれほど愛らしい声で賑やかにおしゃべりしていた小鳥たちは、突如として、立ち去り、風に揺らぐ五色幕の衣擦れの音だけが残り、静寂につつまれる。

 しかし、このような、清々しい本堂にあるのだが、小生の心には、いつになく張り詰めたものがあり、その緊張感は、2月以降、ずっと続いている。

 ことに、今年の3月11日に、再び、出現した氷の三角四面体のことが気になっていた。氷の三角四面体というものは、今年2月25日にも出現していただけに、あの東日本大震災からちょうど6年目のこの日に、事もあろうに、再び、氷の三角四面体が、例の境内の石水鉢に出現するということは、驚異でしかなった。

 そればかりか、このときは、側にまるで翼を思わせるような不思議な象形が浮かび上がっていた。

 氷の三角四面体とはいえ、自然の現象なのだが、この三角四面体の二度の出現は、やはり、何か、見えざる世界からの警告なのかもしれない。

 折しも、世界情勢は、かなり緊迫しており、しかも、キュウバ危機に匹敵する厳しい状況は、日本を巻き込みかねない一触即発の核戦争への危惧があった。この不安が拭えない状況の中で、法圓寺における度重なる氷の三角四面体の出現象に、内心、尋常ならざるものを感じていた。

 もし、あるものがはやまって、核のボタンを押してしまったなら、日本を含め、世界の人類は全く取り返しのきかない破滅の危機に曝されるということなのであろうか。

 それとも、このような尋常ならざる危機の状況にあるからこそ、人類は、その危機の状況を絶対に回避しなければならない。故に、必至の覚悟をもって事にあたれということなのであろうか。

 だが、そのようなことは言われなくとも、誰しもがわかっていることである。しかも、こんな片田舎の寺で発生した氷の現象のことなど、誰も、心に留めることはないだろう。たとえ、話題にしてみても、鼻で笑われるのがオチである。

 まして、見えざる世界が人類の救済のために為政者たちを動かそうと躍起になっているなどという話は、誰も相手にはしない。

 しかし、いま、コトが起きてしまったなら、即、手のつけられない事態となり、平安は無造作に踏みにじられ、たちどころに戦々恐々とした状況に転換してしまうであろう。コトが起きないよう必至に働いている人々の叡智と使命感に委ねざるをえない。

 それにしても、この氷の三角四面体出現の自然現象を目の当たりにして、この自然現象が、一体、何を示そうとしているのか、その真意を理していかざるをえない。

 そして、この、氷の三角四面体を出現させている見えざる世界の加持力に導かれてなのか、小生の前に次々と様々な叡智の思量が示されている。そして、ようやく、その三角四面体の重要な原理が明らかになってきている。

 この氷の三角四面体出現に導かれた叡智の思量の一端は、探求し始めたばかりではあるが、以下のものであった。

 先験たる阿字本不生は宇宙の見えざるエネルギー(ダークエネルギー)である始原量(ダークマター)の本来性となり、そこから、局所化する宇宙の三角四面体(正)と、遍在化する宇宙の三角四面体(反)の統合・重合体が互いの順逆回転により、見えざる質量を集めつつ、旋転(球性:自転)と循環(渦巻流性:公転)により、大宇宙に局所顕在化する。

 この顕現現象宇宙はたえず、一見、消滅するという反対方向に遍在化させる、見えざる潜在現象宇宙と重合一体化している。これは見えざる宇宙と見えている宇宙が別々ではなく、統合された全体として常に一体化しており、見えている宇宙における時間と空間の歴時的生滅が重層的統合の中で、極限まで繰り返す周期性を保ちながら、重合変換(統合)と、分化(微分局所化)と、還元(崩壊)が刻々に現象していることを示している。この顕現は孤立断片化ではなく、統合化されたものが、顕現しているか、潜在しているかの違いである。その統合化されている全体の比率は、局所においても遍在においても相似であり、ダークエネルギー(見えざる本源)とダークマター(見えざる質量)と顕在物質の比率のごとしである。(宇宙におけるダークエネルギー70%、ダークマター25.5%、物質4.5%に相似)

 しかも、局所化の力により顕現しているものは、決して固着した実体ではなく、万生万物は、絶えず局所化の力(正)と遍在化の力(反)が即座の重合変換を起こしつつ、刻々に、全く新しい創造的エネルギーが時間と空間の歴時性を通じて、絶えず新たないのちとして、いま・ここに吹き込まれている。この時間と空間という歴時性の実相は、過去・現在・未来という観念上、便宜上の虚妄の時間・空間ではなく、この宇宙の歴時性はマクロ宇宙もミクロ宇宙も、顕現宇宙も、潜在宇宙も、全体として即時一体であるのである。

 ふと、黙想がいつの間にやら愚考に変わってしまった。気がつくと、本尊や諸尊は差し込む朝の光に穏やかな微笑みを浮かべ、寡黙ながらも小生を見つめておられる。しばし、心を込めて世界の平和と人々の安らぎを祈念し、礼拝を終えて、座を立つ。だいぶ時間は過ぎたようだ。お堂を出てみると、風が強い。黄色い砂埃りがあたりを覆い、日差しはホコリまみれに霞んでいる。黄砂現象らしい。被害を案じつつも、嗚呼、このホコリはあのタクラマカン砂漠やゴビ砂漠からはるばる海を超えてここまでやってきたのだなあと仏教東漸の足跡を偲ぶこと仕切りであったが、その小さな砂粒はこの世だけの視点で見れば、砂粒という個体が、風に乗って、遥か彼方からやってきたと疑わないのであるが、実は、この砂粒は、この世に固定した物体ではなく、見えない質量世界と見える現象界を絶えず重合し、時空の歴時性を通して、今ここに、出現しているのである。この、ブッダの直感を、氷の三角四面体が、如実に示しているとは、これまで、全くわからなかった。それにしても埃っぽい。

萬歳楽山人 龍雲好久