東京への出張で、八百屋の店先で偶然、「白菜一束1,000円」という値札をみつめてしまいました。小さい白菜2個を1,000円で買う気にはなれません。この冬の野菜の高騰は少ない雨量や厳しい寒さが原因で、相場の上げ下げは消費者に打撃を与えます。野菜工場での生産は今のところ主流にはなっていません。現在、高価格商品と言えば、時計・バッグ・貴金属・衣料品等の有名ブランド、高級外国車、高級チョコレート等が代表ですが、その共通点は生産者と販売者のマーケティング戦略が継続して高価格を掲げている事です。しかし、現在のような白菜の相場高騰は、生産者も顧客も歓迎していないでしょう。顧客が受け入れない価格は、需要が安定しないという事です。例えば、知人が経営するレストランは、平凡な地元客中心の店舗でしたが、近年観光客増加とともに接客度や価格帯水準を上げてきました。結果、観光客増加に反比例して地元客は年々減少しています。これまで1,000円で食していたメニューが、2,000円になったりしたからです。ところが、自然災害をきっかけに観光客が激減して、この店舗は経営不振になってしまいました。白菜は相場が戻れば需要が回復します。しかし、この店舗の経営は、価格帯水準を元に戻しても顧客が戻って来る事は無いでしょう。