問題解決の為のアイデアを収集している時、大抵経験する壁があります。一生懸命にアイデアを集めた後、その選択と解決の実現可能性に迷いが生ずる事です。特に、「これらのアイデアでは解決するはずが無い」と判断した時が一番苦しいときです。しかし、頭を切り替え、別の方向から考え直して意外な解決法を発見する事もたくさんあります。
以下は、最近行った経営相談事例の一つです。某介護施設(デイサービス) 利用者の要望として、職員に将棋や囲碁等の相手をして欲しいというものが多くありました。しかし、当所の職員の中に応じられる者が全くいませんでした。そこで、求人を出しましたが、適任者の採用が出来なかったという相談です。良いアイデアはすぐに出ませんでしたが、思考を一時停止して数日後、利用者と職員の立場を逆にしたらどうかとフト思いつきました。すなわち、利用者が教える側になり、職員が教えてもらいながら相手をするというものです。利用者に教える喜びを味わってもらいたいという気持ちです。職務の課題は、正面から一方的に取り組んでも解決しない場合が多いものです。アイデア創出は、多面的に取組んだり、別方向から考えたりすることが重要です。時には、特定方向からの思考を停止したり、一旦ご破算にしたりして、やり直す事も有効です。