終身雇用の崩壊が言われて久しいです。一方で、最近は定年の延長等、出来るだけ長く働き続ける事が社会全体から求められるようになりました。つまり、就職してから退職するまでのサイクルは短くなっていますが、仕事から離れる年齢は高くなっているのです。
さて、一定期間以上勤続すると各種表彰をする規則がある企業等が多くあります。その中身は、大抵表彰状と記念品(又は賞金や旅行券等)程度ですが、勤続年数に応じて休暇と旅行券等が与えられる企業もあるようです。企業の関心度には大きな差があります。ところが、勤続表彰に疑問を持つ企業も増えています。先日、X運送会社を訪問しましたが、労務担当者から「我が社は社員の年齢構成が若くなる事を目指しています。取敢えず、勤続表彰を廃しました」と聞きました。X社では、勤務年数にこだわらず(従って終身雇用体制ではない)、働きに応じて基本給や賞与等の給与条件が決定するシステムを採用しています。一律に支給する各種手当や福利厚生費用の合理化を実施しています。一般に、社員の定着率は高い方が良い評価となります。確かに、社員の定着率が低いと事業活動が不安定となります。反面で、人材の硬直性によって、変化に対応した経営が停滞する事もあるでしょう。今後は、安定した人材と入替る人材のバランスが求められでしょう。