野球選手が長年優秀な成績を続けたり、相撲力士が何度も優勝を続けたりした後、引退をいつするかは難しいものです。同様な立場は、政治家・作家・俳優・経営者等挙げたら切りがありません。有名人ではなくても、組織に必ずいるリーダー等の進退も同様な問題があります。物事は、まだ出来ると思ううちに止める方が安全と言われます。例えば、会社経営者の引退時期です。「まだ後継者は私に及ばない。私が去れば会社は困る」等と考えて、潔く止められません。組織のリーダーは誰でも同様の心境に陥る可能性があります。また、営業上のテクニック等も同様です。企画提案等をする場合は、長い時間を掛けて説得するよりもやや物足りないくらいが成果はあるかもしれません。良い提案でも、相手の予定や気分を無視してはいけません(帰るタイミングは意外に大切です)。東洋には、「有終の美をかざる」という教訓があります。何でも引き際(ひきぎわ)が大切です。ヒットしている商品サービスも衰退する前に止めます。例えば、ある上場会社(電気部品製造業)はどんなにヒットしている商品であっても、他社から競合品が発売されたら製造を止めました。組織のリーダーも部下から惜しまれているうちに止める方が良いでしょう。ただ、経験上終わりを全うする事は大変難しく、勇気と潔さが無ければ出来ません。