作成日:2011/06/20
気まぐれコラム《お客様を傷つける一言》
お客様を傷つける一言
お客様の自尊心を深く傷つけてしまう店がある。先日、お昼のお客様で込み合うあるソバ屋でのことである。
上品そうなあるお客様は、注文した料理がなかなか来ないので、時間を気にしてソワソワしていた。その方は、偶々近くを通った店員に、「注文して20分程ですか、まだでしょうか」と催促したところ、店員は足も止めずに、「料理は注文順に作っておりますから」と言い切ったのである。ああ、何と機転の利かない受け答えだろうか。周囲のお客様さえ、唖然とした表情であった。
飲食店などの接客において、お客様が一番嫌がることは、迅速性を欠くことである。「席についてもなかなか注文を聞きに来ない」「注文を出したが、忘れられてしまったらしい」「料理しなくてよいメニューにもかかわらず、長く待たされる」など
である。
次は、小さな居酒屋での見聞である。一見客らしいお客様が注文を出した後で、「薄味でお願いします」と言った時だった。その時の店主の言葉は、「店の味は、こちらで決めます。口を出さないで下さい」というものだった。お客様は、「そんな言葉を言われるなんて」という驚きで、二の句が継げなかった。お客様は、期待しない思いやりのある言葉に感激し、反対に全く予期しない侮辱的な言葉には失望するものである。