作成日:2011/06/20
気まぐれコラム《顧客の共感を呼ぶ差別化》
顧客の共感を呼ぶ差別化
店舗差別化、商店街の差別化、商品の差別化等、「差別化」することが企業や組織の生き残り策のように言われています。
ところが、他の店舗や会社等と違う方策を考え出し、それが顧客に歓迎されることは難しいものです。単に机上で知恵を絞っていても、突出したアイデアは生れてこないと言えます。
人口6万人の地方都市にある中規模の電気店(従業員30人)のお話をしましょう。大手量販店との競争が激しくなって経営方針の見直しを図りましたが、有効な経営戦略を見つけられず業績が低迷しておりました。
転換のきっかけは、年末商戦に来店されたお客様(75歳)が店内で心臓発作を起こした時でした。たまたま居合わせた専務が応急手当(心臓マッサージ)を習得しており、救急車が到着するまで的確な処置をしたことで、大事に至らずにすみました。周囲にいたお客様が注目したことは勿論、高齢化が進んだ地域の話題にもなりました。
これに注目した社長は、全社員が応急手当を学ぶことを提案しました。さらに、地元の新聞やテレビ等で話題になりました。今では、応急手当だけでなく、防災や店内設備の安全性に力を注ぐ会社として知名度が上がり、地域の顧客が安心して買物に行ける店舗として差別化されております。社会の為に有益であるという顧客の共感を呼ぶことが、有力な差別化となるのです。