作成日:2011/06/20
気まぐれコラム《人の行動習性は左回り》
人の行動習性は左回り
運動会のトラック競技は左回りになっています。右回りにするとカーブで転倒しやすいそうです。また、ある本によると、痴呆者が外を徘徊する時は曲がり角を左に折れて行くことが多いので、そのつもりで探すと見つかる確率が高いと言います(三好春樹著『老人介護 常識の誤り』新潮文庫)。
道路の通行の場合は、人も車も右側通行より左側通行の方が落ち着くように感じる人が多いようです。目を閉じて道の真ん中をまっすぐに歩くと、人にも依りますがだんだん左に寄る傾向があることも頷けます。心臓のある左側の空間を安全に保ちたいという行動習性があるからだと聞いたことがあります。
ところで、スーパーマーケットに入る場合は右側から入って、左側に回って行くレイアウトが多いといわれます。セルフサービス業態の店では、一般に左手にカゴを持って右手で商品を取りながら歩くからという理由があるからです。
また、人は店頭や駅頭に立つと、左側に視線を向ける習性があるようです。立地条件等において、「駅前に店舗を構える場合は、駅頭から見て左と右のどちらが目に入りやすいか」という質問があります。これも一般に左と答えますが、駐車場のレイアウト、看板の位置、陳列の順序や高さ、POPや値札の取付け方等にも応用出来ます。商売においては、人の行動習性を知ることが役に立つものです。