作成日:2011/06/20
気まぐれコラム《四分六分に挑戦》
四分六分に挑戦
「勝負は四分六分でこちらがやや不利の時が一番面白いね。五分五分では勝ち負けが運次第のようだし、六分四分では勝っても当然だからね。仕事でも、努力して四分六分に持って行ければこちらの勝ちだ。」
これは長年建設会社を経営し、今は会長として悠々自適に暮しているAさんの言葉です。まだ会社の規模が零細であった頃、受注の可能性がほとんど無いような商談でも努力して四分の勝ち目になれば大抵何とかなったと言います。一分か二分の勝ち目で成約すれば、やりがいと成果が一層大きくなったと。大きな成果が期待される仕事ほど競争が激しくなるのが一般だから、Aさんの言うことは当然のことかもしれません。
ところが、日常の職務等においては、勝ち目が大きくないと喜んで取り組む人が少ないようです。五分五分の仕事でも失敗したら努力が無駄になると尻込みし、況して一分か二分の勝ち目では「どうせうちなんか」と諦めてしまうことが多いものです。たとえ研究開発のような競争であっても、大きな成功確率にこだわる会社や人は、大きな成果の獲得が難しくなるようです。
Aさんの言葉には続きがありました。「六分四分以上の仕事ばかり狙っていた会社は、成長しなかったな。きみ、人も四分六分に挑戦しないと他人から頼りにされないよ。」