作成日:2011/06/20
気まぐれコラム《悪い暗示による予想と弊害》
悪い暗示による予想と弊害
「何とか頑張って仕入れてみました。でも、今回も売れないような気がします。」これは、衣料品専門店で仕入を担当するAさんが上司に報告する際の口癖です。
Aさんのこの予想は大抵当たる。近くに風邪を引いた同僚がいたような場合も、「今風邪を引いたら困る。でもうつるかもしれない。」と言っている時は、Aさんは予想通り翌日風邪を引いて欠勤したりします。
Aさんのように悪い予想ばかりして、自らの言葉によって自己暗示に掛かってしまうことは珍しい現象ではありません。暗示は良かれ悪しかれ、一種の信念です。例えば、「自分が仕入れた商品は売れない」と暗示したとします。その結果、自分の商品選別力に自信がない⇒こんな商品をお客は買うはずが無い⇒だから、売る努力をしても無駄である⇒このようなマイナスの念は売場に伝わるから、正に予想通りに売れません。
また、悪い暗示による予想は、失敗の言い訳や自己弁護の為に準備していることもあります。他人への依頼心が強く、「このように悪い結果が予想されるから、何とか助けて下さいよ」という、努力放棄かもしれません。悪い暗示(特に言葉にすること)による予想は、仕事上の成績に限らず、病気の罹患と予後、人間関係の首尾等に悪い結果を招くことがあると用心すべきです。