作成日:2011/06/20
気まぐれコラム《値下げ合戦から値上げ合戦へ》
値下げ合戦から値上げ合戦へ
経済は生き物という言葉を実感するような景気変動が起きています。例えば、物の値段です。数年前まではデフレが叫ばれ、値下げ合戦を展開していました。
ところが、最近は原油等の資源高を原因に商品の値段が日々上がってきています。今度は、原料コストや仕入コストの上昇を如何にして売値に転嫁するかの勝負であり、以前とは反対の値上げ合戦です。
さて、商売人は一般に値下げ状況と値上げ状況のどちらの場合により意気込むでしょうか。値下げの時は、「覚悟の値下げ断行」とか「値引き大特価セール」とか、強くお客様にアピールします。値上げの場合は静かに値札を変えて、緊張して売れ行きの様子を覗います。しかし、意気込むのは、値下げよりも値上げなのではないでしょうか。何故でしょうか。
第一に、値下げ競争をしても客単価または客数が増えない限り売上高は低下します。
経営は利益が大事ですが、一般に売上高の低下は喜ばないものです。
第二に、値上げの時は、コスト上昇が10であっても、工夫次第で15とか20とかの値上げが出来る(チャンス到来)と考えるようです。少なくても、売上高の上昇を目論みます。
第三に、戦後63年の経験です。多くの人々が、物の値段が上がる時は景気が良く、下がる時は不景気であると思っています。
さて、今回の値上げ合戦、今までの経験では説明できない背景があり、かなり神経を使いそうです。