作成日:2011/06/20
気まぐれコラム《新事業失敗の責任はどこに挑戦という美名の裏の本音》
新事業失敗の責任はどこに挑戦という美名の裏の本音
新事業が成功する確率は、残念ながら余り高くありません。リスクがあるのがチャレンジなので、当たり前と言ってしまえばそれまでですが、事業であるからには博打ではなく、しっかりとした成功へのシナリオがあってしかるべきです。またどこかにセイフティネットを備える必要もあります。いまだに日本では再チャレンジが難しいので、なるべく深い傷はさけたいものです。
さて、いろいろな失敗事例を見ていると、ちょっと気になるケースが散見されます。社内の新事業部隊という場合もあり、子会社という場合もありますが、新事業立上組織が作られます。その責任者やスタッフはもちろん懸命に努力します。しかしどうも経営者の関心が薄いように思えることがあります。資金投入や、人的な援助が不十分で、新事業の技術的な核が陳腐だったり、事業計画が希薄だったりするのです。とにかく独立させた、という具合です。従って早期に行き詰ってしまいます。そして清算となり、その責任は新事業の責任者が負うことになります。しかしこれって、体の良いリストラではないでしょうか。経営者にとって、もちろん新事業が成功すれば良いのですが、不成功の場合も軽量化ができるので、どちらに転んでも損はないということです。いいかげんな新事業への挑戦は、もっと経営者の責任を論じるべきではないでしょうか。