作成日:2011/06/20
気まぐれコラム《貸す人の悩み》
貸す人の悩み
表題は、「借入の悩み」と取り違えた訳ではありません。自治体の広報誌・ラジオCM・車内広告等が救いの手を差し延べる相手は、金を借りて困っている人です。金を貸して困っている人(ここでは金融業者を除く)に呼びかけるものをあまり見た事がありません。
友人知人・兄弟・親戚等に金を貸して(又は保証人になって)悩んでいる人は大勢います。借りて悩んでいる人に匹敵するかもしれません。個人の貸借は余裕のある者が貧窮した者に貸したように見えますが、実態の半数以上は全く違うのではないでしょうか。
例えば、友人や兄弟が開業するというので家を担保に銀行から借りて協力した、実家の商売が傾いたというので親兄弟から貸付を求められた、親戚に突然不幸があり泣きつかれたので預金を解約して貸付けた等「断り切れずに」貸す場合が珍しくありません。
問題は、約束通りの返済がない時です。個人間の貸借には正式契約書がない場合も多いものです。ビジネスの融資とは違い、毅然とした返済要求や裁判による法的回収にも躊躇します。従って、相手に返済能力があっても心情的に強制的取立てが困難になるのです。
なお、どうしても断れない友人や親戚から借金や保証を求められたら、贈与出来る金額(たとえ返済が無くても請求しない覚悟)を申し出ることも一方法と言われております。