作成日:2011/06/20
気まぐれコラム《予約制の興亡》
予約制の興亡
今年もゴールデンウィークが近づいてきました。毎年、この時期は旅行に行こうと思っても宿泊料金が高く、宿の予約も難しいものです。
日本で宿泊の予約制がいつ始まったかは知りません。テレビ時代劇等を見ていると、夕刻旅人が宿場町に通りかかり、旅館の人が呼び込みをする場面があります。当時は予約の通信手段も少なく、徒歩のために予定通りの行程が出来なかったのでしょう。日本の宿泊予約制は、団体旅行の流行、一斉休日の普及等が発端でありましょう。
ある観光セミナーで聴きましたが、今でもドイツでは、泊まる当日に観光案内所に行って宿を探すそうです。また、フランスは国内を3地域に分け学校の夏休みと冬休みをずらし、ドイツも8地域に分け夏休みを分散しているそうです(日経新聞2010年4月19日朝刊より引用)。日本でも、祝日を地域別に分散するために、8地域の自治体で実験が始まります。既に会社や地域の団体旅行は減少しているので、さらに休日が分散すれば、厳格な宿泊予約は減るかもしれません。
平成になった頃から美容・理容・歯科等も予約制が一般になりました。しかし、低価格の理容院では予約制がなくなる等、サービス提供方法の変化によって予約制の必要性が落ちている分野もあります。需給変化等により、予約制が今後も続くとは限らないように思えます。