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作成日:2011/06/20
気まぐれコラム《参入の時来(きた)る》
参入の時来(きた)る
 人が安心して「時来る」と考えて決断した事柄は、実は「時遅かりし」の可能性が相当高いのではないでしょうか。このことに関して、福沢諭吉が面白い話をしています(『文明論之概略』巻之四、岩波文庫所収)。
 すなわち、「所謂時来れりと称するものは多くは真の時機に後れたる時なり。食事の時は飯を喰ふ時なり、飯を炊くの時は其以前になかる可らず。飯を炊かずして空腹を覚へ、乃ち時来れりと云うと雖ども、其時は炊きたる飯を喰ふ可き時にて、飯を炊く可き時には非ず」、と。
 そもそも、新しいビジネス参入の時機を得ることは、いざ決断となると意外に難しいものです。例えば、カラオケボックスやコンビニエンスストアが始まった頃、自信と安心を以て経営に参入した人は少なかったでしょうが、この人達は創業者利益が大抵得られました。しかし、やがて全国的にこれらの店舗が普及した頃、世間に定着した業態として安心して参入した人達は、相当数が失敗に終わったのではないでしょうか。この業態の需要が急増した時機(簡単に利益を得易い)と参入期がずれていたからです。
 経営力の一つに先見性がありますが、これは単に先を見通す感性だけではなく、他人より早く正確に情報を集めて分析し、素直に実行に移れる勇気ある素質です。