作成日:2011/06/20
気まぐれコラム《他人(ひと)から学ぶ姿勢》
他人(ひと)から学ぶ姿勢
上司が部下に仕事を命令した時、上司が戸惑う事の一つに、「その仕事、まだ教えてもらったことがありません」「マニュアルに書いてありません」等と言う返事です。例えば、宝石店に中途入社して来る「経験者」を観察していて気づくことがあります。同じくらいの接客販売の経験をしていても、顧客の気持ちや事情を察する力がある店員もいれば、マニュアル等で指示された事以外は全く眼中に無い店員もいます。店舗指導を始めた頃は、生来の素質による格差で仕方ないことと思っていました。しかし、一人一人深く観察すると、主因は他人から学ぶ姿勢が違うことにありました。
ある店員は、お客様が店頭に来ると素早くその状況を確認します。「かなりの高齢者だ。足元は大丈夫かな」「雨の中、荷物をたくさん持っている。傘の始末を手伝おうか」「外国人客だ。対応出来る同僚に連絡しよう」等と。マニュアルには書いていませんが、お客様が喜ぶ接客をすぐ行動に移しています。以前の職場の有能な先輩を見習っているのです。しかし、このような機転が利かない店員も多いものです。以前の職場では、上司や先輩から教育されたことは無いからと思っています。他人から教えてもらうことだけに頼らず、プロ意識で職務能力を磨いていれば、その経験は何処の職場でも評価されるものです。