作成日:2011/06/20
気まぐれコラム《他人から話を聴く態度》
他人から話を聴く態度
ある病院で診察を受けた際、こんな体験をしました。筆者が体の異常を話している時、医師はその内容をパソコンに向って入力しているだけでした。こちらの表情を全く観察せず、相槌を打つこともしませんでした。これは記録に捉われて、本来やるべき体の診察や対話の態度に問題があると思います。
人の話を聴く場合(ここでは対話)、一番大事なことは「真摯な態度」「謙虚な姿勢」で臨むことではないでしょうか。メモ等を取りながら、相手の話に強い関心を抱いて聴く態度が求められます。
X社(防災用品製造業)のA社長(82歳)は、いつも熱心にメモを取りながら筆者の話を聴きます。どんな初歩的な話題でも強い関心を持ち、時に鋭い質問をされます。A社長に対して曖昧な情報提供は許されないので、X社を訪問する時は特に注意して準備をします。また、A社長は面会の終り間際、直ちにその日の話題に関係する社員を呼んで具体的な指示を出したり、必要なメモを渡したり、筆者に質問をさせたりします。有用な情報は自分一人で持つのではなく、関係者全員が共有しようとする姿勢です。
X社は現在繁栄していますが、A社長や社員に他人から有用な情報を得ようとする真摯な態度と謙虚な姿勢が続く限り、今後も安定した発展が望めるでありましょう。