あまり夢のある想像ではないかもしれませんが、今後の日本社会は仕事を2つ以上持つ(本業と副業)人が増えるでしょう。江戸時代の書物等にはよくあります。1つの生業だけでは生活が出来ず、況して財を築く事は出来ず、幾つも仕事を持つ。例えば、「朝は酢・醤油を売り、昼は塩籠(しおかご)を担い歩き、夕暮は油桶を代わってかつぎ、夜は馬の藁沓(わらぐつ)を作って馬方に売り、若い時から一刻も安閑としていたことがなかった」等とあります。( 井原西鶴『日本永代蔵』堀切実訳注、角川ソフィア文庫)。Aさんは、大学卒業後に就職し、3年で退職しました。特定の会社には再就職せず、午前中は父親が経営するパン屋を手伝い、午後は学習塾講師と飲食店の調理をしています。収入は月30万円程度になります。将来は2種類くらいの事業を創業するつもりです。Bさんは、昼間4時まで知人が経営する婦人服店に勤め、夕方から特技のピアノ指導と出張演奏をしています。出張先の飲食店で調理もして収入は月40万円程度になります。今後労働力不足を補う為に、労働政策として仕事を2つ以上持つ事(副業を持つ)が奨励されるかもしれません。更に法的緩和が進めば、2か所以上の公務員を兼ねたり、昼間は教員、夜は飲食店を営んだりするような現象が出現する可能性があります。