作成日:2011/07/01
気まぐれコラム《得意技を磨く》
得意技を磨く
昭和30年代頃までの映画ニュース(当時、映画の前に数分間の社会ニュースがあった)には、「伸びゆく日本」等と題して、大勢の人が朝制服を着て出勤し、工場のベルトコンベア前や会社の机に座って一斉に同じ仕事をしている風景を映したりしていました。
また当時の学校教育や社員教育は画一化と平等主義を掲げ、成績は平均点の高い人を優秀としました。何か優秀な部分を持つことよりも、欠点が少ないことが重要でした。
では、現代社会はどうでしょうか。未だ学校教育の評価方法は各科目の平均点が重視されていますが、企業においては何か得意な技術や職能を持っている人が求められています。関係する職務全てが並に出来ることよりも、特定分野の職務能力(営業・接客・語学・苦情処理等)が得意であることが重視されます。一般に、自営業を創業する人は、自分の得意技や特徴を考慮して業種分野や営業方法を選んでいます。しかし、公務員や会社員になる際には、どんな仕事を任されるのか分からないで応募しているかもしれません。今後、仕事能力の向上戦法としては、不得手な部分を並にする努力より、自己の可能性を伸ばす得意技を磨く方がずっと発展が望めるでしょう。今こそ、個人も会社も特定の分野を一心に究めて、競争の武器にするという姿勢が求められています。