「これは内緒だが」と話し始めて、後悔したことが無い人は少ないのではないでしょうか。話した後で、他人に洩らしてしまうのではないかと心配したり、深刻な事態になるかもしれないと不安になったりします。
営業や接客の現場において、顧客への説明等が多少言葉足らずでも大きな障害になることは少ないが、余計な一言が致命的失敗になることは珍しくありません。特に危ないのが、得意分野の話をする場合や慣れ親しんだ人と話す場合等です。業界の噂話や他社の秘密事項を意味も無く話すことは、相手から不信感を持たれることになります。
経験上、高齢の人(又はずっと年上の人)と話す時は、言葉量を控えめにすることが良いと思います。多くの話題を語ることは、相手を疲れさせ、会話の集中力を弱くさせてしまうことになるからです。この場合は、謙虚な態度で聞き手に廻ることが対話のコツであり、相手が話して教えるという自尊心を満足させることも考慮しなければなりません。
言葉を慎むとは、筆者は例えば次のような注意を心掛けています。(1)話題は相手の関心や年齢等を考慮する。(2)相手が話している時は途中で割込まない。聞くことに集中する。(3)「秘密だが」「噂だが」というような前置きで話さない。(4)他人の悪口、不景気な話、相手が不快になることは話さない。